血栓症の予防
(『健康カプセル!ゲンキの時間 3/21 「血液ドロドロ血管カチコチ撃退食材」』(テレビ朝日)より聞き書き)
今回の内容は血栓症などの血管の病気を防ぐ効果がある食材や料理法などが中心だったが、番組内で紹介されたデータが面白かったので、確認できたものを中心に記録しておきたい。(内容については番組のURLを見てください)
COVID-19患者の血栓症
新型コロナ重症患者のうち血栓症発症数は約13%
出典:「COVID-19関連血栓症アンケート調査結果報告」厚生労働省研究班・日本血栓止血学会・日本動脈硬化学会の合同調査チーム
この調査は2020年8月31日までに入院したCOVID-19患者を対象としたもので6,082 症例について回答が得られた。
(血栓症は入院患者全体では) 105 例(1.85%)に発症し、発症部位は(重複回答を可として)、症候性脳梗塞 22 例、心筋梗塞 7 例、深部静脈血栓症 41 例、肺血栓塞栓症 29 例、その他の血栓症 21例であった。
血栓症は、軽・中等症の症例での発症が 31 例(軽・中等症症例の 0.59 %)、人工呼吸器・ECMO 使用中の血栓症発生が 50 例(人口呼吸・ECMO 症例まで要した重症例の 13.2%)であった。
玉ねぎで血栓を防ぐ
「春はストレスがかかる季節で、血管にも負担がかかることがあるという。その結果、夏に心筋梗塞や脳卒中が増える」(医学博士 池谷敏郎)という話の後で、玉ねぎの「硫化プロペニル」という成分が血小板の働きを抑制して血栓作りにくくするという話があった。
この画面の隅に「西村弘行」という名前が見えたので、検索してみると、
などの記事が見つかった。
この「硫化プロペニル」の効果を得るためには玉ねぎを切るときに繊維に対して垂直に切ること、切ってから1~2時間、常温で放置するそうだ。そうすると「硫化プロペニル」が「セパエン類」に変化し、これが血栓を作りにくくするという。
ただし「硫化プロペニル」は水溶性なので、水にさらすのはNG。
玉ねぎには「ケルセチン類」という抗酸化ポリフェノールも含まれている。血液中に活性酸素を増やし、血管内皮の酸化を防ぐという。新玉ねぎを生で食べるとその効果が期待できるという。
海苔
海苔1枚3gに含まれる食物繊維の量は、キャベツ6Og分。(日本食品標準成分表2020年版(八訂)より)
8割が水溶性食物繊維で糖や中性脂肪の急激な吸収を抑える。
単純に食物繊維の総量で比較すると確かにキャベツ60g分といえるが、キャベツは水溶性の食物繊維が0.4g/100gしかないので、水溶性食物繊維だけで焼きのり3g分の量を取ろうとすると、キャベツは216g必要となる計算になる。
海苔は葉酸も豊富。葉酸は「ホモシステイン」の濃度を低下させる効果がある。
ホモシステインの値が高いと「脳卒中、虚血性心疾患、循環器疾患が多い」という研究がある。(JACC Study「血清ホモシステインと循環器疾患死亡との関連」崔仁哲)