力は小さいほど動かしやすい

2023-01-01八光流,動き,肩の力を抜く

八光流柔術豊和会の今日の稽古から。

「力は小さいほど動かしやすい」

一見矛盾するような言い方ですが本当なんです!

正面から相手に左手をつかまれたとします。つかんできた相手の右手を手前に引きます。ぐいと強く引くと、引いた強さの分だけ相手も対抗して引きますから互いに引き合って動かなくなります。強い力には強い抵抗が返ってくるだけ。

相手を手前に動かすためには、最初につかまれたときに、こちらの力を十分に抜いておいてそれから静かに肘を引いていく。つかまれた手の部分は動かさないで、相手の皮膚と触れているところが少しだけ、わからないくらい少しだけ動く感じ。そうすると、相手の体全体が少しずつ手前に引かれてくるのです。

力を抜いたら相手の動きをじっと待っているのが大事。(でもこれがまた待ちきれないんだ!)
相手が動き始めたら、その動きに沿ってついていく。(これも動いた嬉しさに、つい力を入れて引いてしまう!)

相手を押すときも同じ。強い力でぐいぐい押しては、同じ力で反発を食うだけ。
たとえば相手の掌を上に向けてもらって、そこにこちらの母指を当てます。これもこちらの体全体の力が抜ければ、少しの圧でも掌の中に沁みとおる感じになります。

柔術の師匠がいうには「その圧点が経穴だとしたら、その経絡全体に刺激が通っていく。十二経絡は流注として全部つながっているから、たとえ1点の経穴だけの刺激だとして、全身に通っていくだけのものになる」と。

ただ、「力を抜く」と簡単に書きましたが、これが難しいのですよね…抜いたつもりでいるけれども、足腰を踏ん張っていたり、重心が前かがみになっていたり、左右のバランスがねじれて体幹がズレたり…そういうことが意識できるようになるまで、私はまだまだ修行が足りないのです。いつも怒られてばかりなのです…

Posted by 清水 俊一