『丹田呼吸法』

2023-01-01一日一読,丹田呼吸法

『白隠禅師『夜船閑話』に学ぶ 丹田呼吸法』村木弘昌(三笠書房)を読みました。

白隠は江戸中期の禅僧だそうです。宗派は臨済宗。
厳しい禅の修行で身体を壊す修行僧のために呼吸法を伝授する『夜船閑話』(やせんかんな)という書物を残しています。

この呼吸法を行えば病気が根こそぎ治ってしまうといいます。もし治らなければ「老僧(白隠)の頭を切って持っていけ」とまで言うのです。

さて、その呼吸法ですが

「みずおち(鳩尾・みぞおちともなまって読む)をくぼめて上半身をくの字型に倒して息を吐くこと」

実際にやってみます。胸骨の下、肋骨の下縁をへこませながらハアーっと吐き出してみます。腹の中の息が全部なくなるまで吐ききります。そうすると、自然に状態は前かがみになります。臍の上は腹が凹んでいきますが、相対的に臍の下には腹圧がかかっていきます。

普通の腹式呼吸だと吸うときに腹を膨らませ、吐くときは臍を中心として腹全体をへこませながら息を吐きだすと思いますが、そうではなくて、臍の上をへこませながら臍の下に圧をかけて息を吐ききるイメージです。

「裸でやってみると、みずおちがくぼんで下腹部がふくらんでいるから、臍の上に百円玉をのせても落ちない程度になる」

となるそうです。「臍の下が匏(ひさご=瓢箪)のように円くなり、引き締まって鞠(まり)のようになる」と『夜船閑話』には書かれています。

実際こうすると「気海丹田」に気が充実するように感じます。「気海」は臍の下1寸5分にある経穴。丹田は臍の下3寸にあるとされます。白隠が最期にいたという松陰寺(沼津市)には白隠の木造があるそうですが、その像のみずおちはくっきりと括れているそうです。

これはまだまだ「丹田呼吸法」の入り口にすぎません。この本を読みながらしばらく続けてみようと思っています。

Posted by 清水 俊一