コロナの後遺症
コロナの後遺症を追跡調査(コホート研究)した論文を読みました。これには時期によってどのような後遺症が見られたかリストアップされています。タイトルは
Characterizing long COVID in an international cohort: 7 months of symptoms and their impact (国際コホートにおける長いCOVIDの特徴づけ:7か月の症状とその影響)
https://www.thelancet.com/journals/eclinm/article/PIIS2589-5370(21)00299-6/fulltext
Google Translate の訳です。「long COVID」は「後遺症」と言ってもいいでしょう。
この調査は2019年12月から2020年5月の間に発症した56か国の患者3762人を対象に行われました。後遺症として203の症状の有病率を推定し、7か月間で66の症状を追跡したということです。
回答者の大多数(> 91%)では、回復までの時間が35週間を超えたといいます。生活や仕事への影響はかなり大きいものになるでしょう。
詳しくは、本論文をお読みいただきたいと思いますが、ここでは症状の時間経過によって分類した表と図(図6)を紹介したいと思います。障害臓器ごとに、発症した時期と経過時間で3つのクラスターに分類しています。表中の病名に日本語訳をつけてみました(誤りもあると思いますのでご指摘ください)。下に付された図(ヒートマップ)は、症状がいつごろ発症しいつまで続いたかを温度差で表しています。
クラスター1は初期に症状があらわれて4週目ぐらいには軽快してるグループです。クラスター2は初期から7か月までコンスタントにあらわれているのがわかります。クラスター3は4週を過ぎたころから症状があらわれて、その後軽快しないまま続くグループです。
こうしてみると「精神神経系」の症状が多いのがわかります。私たち指圧師のところにおいでになる患者さんにも、このような症状を訴える人が多くなるのでしょうか。「めまい」や「頭痛」「睡眠障害」「神経痛」などは通常でも主訴で見られる症状です。筋骨格系の「関節痛」や「筋攣縮」は、まさに指圧を活用できる症状ですね。ただその原因として「コロナにかかったかどうか」が大きく関わることになるかもしれない、ということは心に留めておきたいと思いました。