腹部自己指圧を呼吸に合わせて

2023-01-01指の力を抜く,腰痛,腹部指圧,自己指圧

腰が痛い時は腹部指圧を

以前も腹部の自己指圧のやり方をご紹介しました(こんにゃくパックで自己指圧)。今回は呼吸に合わせて圧を入れたり抜いたりする様子をご覧いただきます。

このところ私も腰の動きが固くて、朝の寝起きの直後や椅子に座り続けて後に立ち上がるときなどちょっと痛みが走ることがあり、けれど少し動き始めると腰の痛みが気にならなくなるという、いわゆる「筋緊張性」の腰の硬さや腰痛を自覚しています。こういうとき、手を背部の腰のあたりに回して揉んでも自分ではなかなか満足な圧を与えられませんね。

こういうときは、腰の裏側のお腹を緩めてみましょう。腹部を指圧して腹の緊張をとると腰の痛みをやわらげることができるのです。

ただ、自己指圧で腹を押圧しているとつい手指に力が入ってしまうことがあります。自分のお腹だけに遠慮がないというか、腹に硬いところや痛いところがあると、つい、力でそこを潰してしまおうと意識してしまうようです。そこで「呼吸に合わせて指を沈め、同じく指を抜く」というやり方をご紹介します。

まずは通しで動画をご覧ください。

今回はお腹の真ん中、臍を上下に通るラインを下腹の恥骨の際から胸骨の下の際までを押しながら、少しずつ下から上に動かしています。これは東洋医学の経絡のうち「任脈」というラインになります。

これがお臍です

吐く息に合わせて指を沈める

コツは指で押さないこと、言い換えるとお腹の動きが先で、指はその後を追いかけるように動かす、です。お腹の動きは呼吸で導きます。

  1. 場所を定めて静かに息を吐く
  2. 吐く息とともにお腹が引っ込む
  3. 引っ込んだお腹を追いかけるように指を沈めていく

となります。このとき指の力は最小限にします。決して力で押し込むことがないようにします。

息を吐き切ったら少し息を止める

これもコツのひとつです。

息を止めるというよりは、息を吸い込むのを少し待ってみる、という感じでしょうか。苦しくなる前に吸息にうつりますが、その間、沈んだまま止まっているお腹の底にじっと指を当てて手触りを感じてみると、拍動が響いてきたり、お腹のなかがグルグル動いてきたりします。短いですが、それをじっと味わっている時間です。

吸う息に合わせて指を抜く

息を吸いこむと自然にお腹が膨らみますが、指はそのふくらみの後で上がってくる感じ。これも後追いのタイミングです。お腹が指を押し上げているイメージだとわかりやすいでしょうか。

指はあくまでもお腹の皮膚に密着していて、お腹が膨らみきるまでずっと付き合っている感じ。膨らみ切ったら優しく指を離して少し上の位置に移動させます。指はお腹に「名残惜し気に」離れていく(まるで恋人のように)ようにすると、優しくできます。

そして、次の息が吐かれていく…

以下、はこの繰り返しです。

固いところをじっくり

私の場合、下腹部(お臍の下で恥骨に近い部分)と上腹部(お臍の上で胸骨との中間ぐらいの部分)に固いところがありました。

こういうところは特に無理のないように、じっくり数呼吸繰り返して、お腹の動きに合わせながら圧を加えるようにします。なかなか固さがとれなくても焦らず、また最後までとれなくても少しでも柔らかくなるのを期待して、また「明日はもっと楽になるさ」ぐらいで次の部位に移るようにしましょう。

こだわりは禁物です。

優しくお腹と付き合いましょう

他にもお腹を通る経絡はいくつかありますが、それに合わせて同じように指圧してみるといいでしょう。また経絡に合わせなくても、自分の感覚で固いところや痛いところを探りながら押圧してもいいと思います。

ちなみに固いところや痛いところは、お腹の筋肉の硬さだったり、その下の内臓に分布した静脈の鬱滞だったりすることが多いようです。また腸内に溜まったガスや便の元みたいなものもあります。こういうものはしばらく押圧していると緩んだり、ときにはゴロっと動いたりすることがあります。

固かったり痛かったりしてもすぐに内臓の不具合があるというわけではありません。ただ、ご心配があるようならお医者さんの診断を受けていただくのはもちろんです。

あくまでも自分のお腹ですから、優しくお付き合いしてみてください。

Posted by 清水 俊一