心身統一の四大原則

2023-01-01一日一読,心身統一


『氣の確立』藤平光一(東洋経済新報社)から抜き書き。

心身統一の四大原則

一、臍下の一点に心をしずめ統一する
二、全身の力を完全に抜く
三、身体の総ての部分の重みをその最下部におく
四、氣を出す

この4つのうちどれかひとつだけでもやればよいと書かれているのだが、どれひとつとっても簡単にはいかないのがやってみるとわかります。

「臍下の一点に心をしずめ統一する」というのはいわゆる「丹田」に気を集めるということでしょうが、つい下腹部に力を入れて息を詰めてしまう。臍下は気を集めるところであって、力を入れるところではない、と本書にあります。下腹部に力を入れていると股関節が固まってしまうのだそうです。力ではなく「心をしずめ統一する」というのが実感としてつかめない。

これは4番目の「氣を出す」というのと同じです。「心で氣が出ていると思えば、すなわち氣がほとばしり出る」とあります。ドラゴンボールのかめはめ波みたいなイメージではダメなんですね。力をこめれば氣が出るわけではない。

「全身の力を完全に抜く」というのも難しいです。なぜなら、自分で意識しなくてもどこかに力を入れていることがあるからです。「力が抜けた」状態と「力を抜いた」状態とでは全くちがうとも書かれています。「力を抜く」ためにはどこに力が入っているか意識していないと難しいです。かえって「リラックス」しようとして力んでしまうことにもなりかねない。

4つの中では3番目の「身体の部分の重みはその最下部におく」というのが、私にとっては一番わかりやすい感じがします。

たとえば、頭の重みはその最下部、つまり頭蓋骨の一番下で頸椎との接点に置くように意識します。頭の重みは体重の約10%だそうですから5、6㎏の大きなボールが頸椎の上にチョコンと載っているというイメージです。頭の大きさからいうとその最下部はほぼ点で支えているようなものです。その頸椎との接点に頭全体の重みを置くように頭全体の位置を調整してみると、顎や首の力が抜けて重さがさらに肩の方に真っ直ぐ落ちていきます。

同様に肩甲骨の重さを背中の真ん中に落とし、背骨もひとつずつ下に落として腰に達します。腰と骨盤との接点に頭の重みが届いているというイメージは、割とつかみやすいと思います。椅子に座った姿勢だと、その重みは坐骨で受けて椅子の座面に立っているという状態になります。

立っていれば、さらに重みは足裏まで達するわけですね。

立っていても座っていても、このように部分ごとの重みをその最下部に落とした姿勢を取れると結果的に全身の力を抜いた状態に持っていけそうな気がします。同時に臍下に心を統一できるように練習してみようと思います。

 

Posted by 清水 俊一