肩凝りは胸凝り?

2023-01-01一日一読,動き,筋肉

『新版一流選手の動きはなぜ美しいのか からだの動きを科学する』小田伸午 著(角川選書) を読んでいます。筆者自身がラグビーの選手であったことやラグビーチームの監督、トレーニングコーチを勤めた経験からラグビーを中心としたスポーツにおける動きの話が興味深いのですが、姿勢や力の使い方についての解説や心理面からのアプローチも面白いです。

その中で「肩凝りは胸の筋肉(大胸筋)が凝っているのが原因だ」というのが目に留まりました。

大胸筋は鎖骨や胸骨、肋軟骨から始まり胸の前を外側に走り、上腕骨の上方外側に停止します。これは肩関節を屈曲・内転・内旋させます。つまり、上腕から肩を内回しに前の方に引く力を発揮します。

大胸筋大胸筋(Wikipediaより)

また大胸筋の下に小胸筋があり、これも肩を前の方に引っ張ります。これらの胸の筋肉が緊張すると肩の位置が前に出てきます。これを筆者は「前肩」と呼んでいます。私はよく「巻肩」と言ったりします。

小胸筋

小胸筋(Wikipediaより)

前肩、巻肩になると背中の筋肉(筆者は僧帽筋を上げています)が上に引っ張られ、結果的に肩が凝るという症状を自覚するわけです。ですから、肩凝りをほぐすのに、肩や背中を揉んだり叩いたりしても、その時は楽になるとしてもすぐ元に戻る、というわけです。

じゃあ、どうします?胸を緩めればいいのですね!しかしただ胸をもめばいいかというと、そういうわけにはいかないようです。(続く)

Posted by 清水 俊一